知る   中之条町について,いろいろと知ってみよう
中之条町の下水道について
下水道の用語

DO(Dissolved Oxygen)
水中の容存酸素濃度。通常は,DOメータで測定して,1リットル当りの酸素のmg数で表す。酸素の溶解量は,気圧・温度・塩類濃度などに依存している。水中の有機物濃度が高くなると,容存酸素が消費されるので,きれいな水ほどDOが高くなる場合が多く,清流のDOは高い。

pH
水素イオン濃度指数。pH1〜14のなかで,7が中性,数値が高い側がアルカリ性,低い側が酸性。測定には,pH計(ガラス電極法)が用いられる場合が多い。

透視度(Transparency)
試料の澄明の程度を表すもので,水質の良くなるにつれて値が大きくなる。

SS(Suspended Solids)
水中に懸濁している固形物をいう。グラスファイバーフィルター(GFP,孔径1μm)でろ過し,105度で乾燥・冷却後,ろ紙上の残留物を1リットル当りのmg数で表したもの。下水中の汚濁の度合いを表す指数としてよく用いられ,放流水質の水質基準が規制されている。

COD(Chemical Oxygen Demand)
化学的酸素要求量。水中の汚濁物質が酸化剤(KMnO4)によって,化学的に酸化分解される際に要する酸化剤の量を酸素量で表したもの。有機物のみならず無機物で酸化を受けやすいものがCODの中に含まれる。有機物でも,酢酸(CH3COOH)などは分解されず,CODとして捉えられない。CODの測定は,硫酸(H2SO4)酸性下で過マンガン酸カリウム(KMnO4)で100度C,30分処理後逆滴定で行うことが法律で定められている。パックテスト(共立化学)により簡単に類似値が得られるため,手ごろに水環境の汚染度合いを調べ,環境教育や水質管理に用いられている。

BOD(Biochemical Oxygen Demand)
生化学的酸素要求量。容存酸素の存在下で有機物が微生物の生化学反応で酸化分解する(20度,5日間)。その時使われる酸素量をmg/lで表す。BODは,生物分解可能な有機物量を表すものだが,汚濁の度合いとしてよく用いられている。放流水の水質基準が,BOD 20mg/lとして法律で定められているが,もっと厳しい地域もあるが, 水処理の最低基準であり,水処理は一桁上を目指すべきである。河川が1〜2mg/l程度のBODであれば,水浴びも釣りも適している。20mg/lの水は,臭い川ないしドブの値で,きれいな大きな川に流れ込むとなんとか川の浄化作用で吸収できる範囲の値で,水の少ないもともときれいでない川へ放流してはならない値である。例えば,天ぷら油はBOD約1,000,000mg/lで,きれいな川なみに薄めるには,100万倍に薄めるということで,流してはいけない。

硝化のBOD
処理水のBOD測定中にふ卵ビン中で硝化反応が進行しDOを消費する現象で,BODが非常に高くなる。 水中の溶存酸素を消費する物質は,有機物(好気性細菌により分解),窒素化合物(硝化細菌により硝化)がある。ディッチの中での硝化反応(NH3をNO3に酸化)の途中で,BOD測定に入るとふ卵中に硝化が起こり,DOを消費し,BODの値が上昇する。 この硝化によるDO消費を押えるために,硝化抑制剤アリルチオ尿素(ATU)を添加する方法は,ATU-BODという。
採水の場所によりATUを加えずにBODが高くならない方法として,処理水(方流水)の採水を塩素消毒後にするとよい。硝化細菌は次亜塩素酸ナトリウムにより容易に不活性化されるため,塩素消毒を行う消毒法の場合には有効である。紫外線やオゾンによる消毒の場合はATU-BODの測定が必要になる。

全窒素(Total Nitrogen):T-N
水中の様々な形態の窒素化合物の窒素の合計量をいう。
全窒素------無機性窒素,有機性窒素
---無機性窒素(アンモニア性窒素NH3-N,亜硝酸性窒素N02-N,硝酸性窒素NO3-N)
---有機性窒素(たんぱく質,アミノ酸)
全窒素は,富栄養化の指標として使用され,閉鎖性水域では排水基準が定められている箇所がある。 プランクトンの異常発生限界は,全窒素0.2mg/lとされ,厳密に排水基準を守るために処理場の運転を正常に行い,さらに高度処理等を導入していくことが求められている。

有機性窒素:Org-N
厨芥,し尿などの家庭排水に由来し,好機・嫌気性細菌によってアンモニアに分解される。 下水に含まれる窒素は,有機性窒素,アンモニア性窒素が主であり,全窒素40〜50mg/l程度である。有機性窒素は,ケルダール窒素からアンモニア性窒素を差し引いて求める。

アンモニア性窒素:NH3-N
家庭排水中のし尿が主。有機性窒素の一部は下水管渠やエアレーションタンク内で分解し,アンモニアを遊離する。

亜硝酸性窒素:N02-N
硝酸性窒素:N03-N
亜硝酸性窒素は窒素化合物の酸化の中間生成物で不安定な形態である。硝酸性窒素は,エアレーションタンク内でアンモニアの酸化によってつくられる。

ケルダール窒素(Kjeldahl Nitrogen):Kj-N
ケルダールフラスコを試料の分解瓶として使用し,有機性窒素をアンモニア性窒素として測定した窒素の量をいう。ケルダール窒素は,有機性窒素とアンモニア性窒素の合計である。下水中のNO2-NとNO3-Nは少ないので,全窒素としてケルダール窒素を使用する場合もある。

全りん(Total Phosphorus):T-P
水中のりん化合物の総量をりんの濃度であらわしたもの。
りん------無機性リン酸塩,有機性りん化合物
----無機性リン酸塩----(オルトリン酸,メタりん酸,ピロりん酸),ポリりん酸,(りん酸エステル,りん脂質)
りんは,し尿,洗剤,肥料等に含まれている。 全りんは,富栄養化の指標として使用され,閉鎖性水域では排水基準が定められている箇所がある。 プランクトンの異常発生限界は,全りん0.015mg/lとされ,厳密に排水基準を守るために処理場の運転を正常に行い,さらに高度処理等を導入していくことが求められている。

ヨウ素使用量(Iodine consumption)
硫化物,第一鉄塩,不安定な有機物の還元性物質によって消費されるヨウ素量をいう。 ヨウ素消費量の高い下水は,反応槽での酸素要求量が多い。また,管渠内で酸素を消費するため腐敗を促進し,硫化水素の発生を招き,管渠の腐食・破壊へ導く。

界面活性剤(Surfactants)
液体の表面張力を低下させる化合物で,幾つかの種類がある。家庭洗剤の界面活性剤は陰イオン界面活性剤が多い。陰イオン界面活性剤は,反応槽や放流水の発泡の原因となる。市販のソフトタイプ(LAS)洗剤は,反応槽で90%以上が分解される。

アルカリ度(Alkalinity)
水中の重炭酸塩,炭酸塩または水酸化物などのアルカリ性分をpH4.8まで中和するのに用いたさんの量をこれに対応する炭酸カルシウム(CaCO3)のmg/lで表したもの。アルカリ度は,下水の処理におけるアンモニアの硝化,脱窒の過程で増減するため,これらの反応の進行状況を推測するために用いられる。流入下水のアルカリ度は,150〜200mg/lぐらいであり,エアレーションタンク内で硝化が進むと数値が下がる。

MLDO(Mixed Liquor Dissolved Oxygen)
混合液の容存酸素。エアレーションタンク内の容存酸素を特にMLDOといい,1l当りの酸素のmg数で表す。1mg/l前後が多い。活性汚泥の活性は,MLDOに左右されるので,運転管理上重要である。しかし,流入水の影響,温度の影響,測定場所の影響を受けるので数値の取り扱いに注意が必要である。

SV30(Sludge Volume):活性汚泥沈殿率
エアレーションタンク混合液を1lのメスシリンダーに取り整地し,30分後の沈殿汚泥量をサンプル全体に対する百分率で表したもの。

MLSS(Mixed Liquor Suspended Solids):活性汚泥浮遊物質
エアレーションタンク混合液のSS量をmg/lで表したもので,活性汚泥の濃度を表す。 標準活性汚泥法で,1000〜2000mg/l,オキシデーションディッチで,2000〜5000mg/l程度が多い。
MLVSS(Mixed Liquor Volatile Suspended Solids):活性汚泥有機性浮遊物質
MLSSを600度のマッフル炉で燃焼させると揮発成分(volatile)だけが減量する。これを強熱減量といい,mg/lで表したもの。活性汚泥中の有機物量を表し,微生物量を知る試料として重要である。MLSSに対するMLVSSの割合は,分流式下水道で80〜85%である。

SVI(Sladge Volume Index)
汚泥容積指標。エアレーションタンク混合液を30分間静置したときに,1グラムのMLSSが占める容積をml数で表したもの。
SVI=SV×10000/MLSS
活性汚泥の沈降性,圧密性を表し,通常は100前後が望ましい。バルキングにあるとき,いわゆる軽い汚泥の時は,300以上になる。雨水流入があると,50以下の重い汚泥になる。MLSSが高いときは,SVがメスシリンダーの管壁抵抗により上昇するので,2倍希釈,3倍希釈してSVを測定し,真のSVを求める。

BOD/SS負荷
エアレーションタンクの単位MLSS当り1日に流入する下水のBOD量。
BOD-SS負荷(Kg/SS kg・day)=流入下水BOD濃度×下水量/(エアレーションタンク容量×平均MLSS濃度)
OD法では,0.03〜0.05kg/SSkg・dayを標準とする。間歇曝気を行う場合は,0.05〜0.2kg/SSkg・dayで,
BOD-SS負荷=流入下水BOD濃度×下水量×24/(エアレーションタンク容量×平均MLSS濃度×曝気時間)

BOD-容積負荷
エアレーションタンクの単位容量当り1日に流入する下水のBOD量。
BOD-容積負荷(kg/m3・day)=流入下水BOD濃度×下水量/(エアレーションタンク容量×1000)

検鏡試験
顕微鏡で微生物の確認をすること

水質試験
水処理施設の運転管理が適切かどうかの確認。水質環境基準を満足する処理水質が得られているかどうかの確認。

水質管理
流入水を反応タンクで微生物の働きできれいにし,放流水質を良好に保つこと。
活性汚泥
数百種類の微生物群で構成されている。反応タンク内では,フロックと呼ばれる塊を形成して,生物相が形成されている。活性汚泥の生物相を検鏡試験することで水処理の良否を判断できるほど重要であり,良好な活性汚泥が処理に欠かせない。
活性汚泥中の原生動物は,3つに分類される。
(a)活性汚泥性生物(m)ほふくないし固着を主とするもの。Aspidisca,Vorticella,Espistylis,etc.
(b)中間活性汚泥性生物(b)遊泳ないしほふくを主とするもの。Litonotus,Chilodonella,Loxophyllum,Oxytricha,etc
(c)ひっ活性汚泥性生物(n)自由遊泳を主とするもの。Colpidium,Paramecium,Bodo,etc.
水処理がうまくいっているときは,(a)がほとんどで,(b)は少なく,(c)はほとんど見られない。その他,糸状性微生物,放線菌,アメーバなどもいる。

m/l
溶液1リットル中に何mg(1mg=1/1000g)の物質が溶けているかの単位。

ppm
百万分の1。溶液の場合は,1mg/lは,ほぼ1ppmである。

ppb
十億分の1。

ppt
1兆分の1。

水温(Water temperature)
水温の高いときは,容存酸素濃度は低くなるが微生物の活動が活発になり,処理水の水質がよくなるが,水温が15〜18度になると微生物の活動が弱まってくる。

臭気(Odor)
処理場の臭気は,有機物の腐敗によるものが多い。アンモニア,メチルメルカプタン,トリメチルアミン,アセトアルデヒド,硫化水素,硫化メチルなどが含まれている。

大腸菌群数(Coliform Group)
大腸菌群は,グラム陰性,無芽胞の短かん菌で,好気性あるいは通性嫌気性菌の総称。試験方法は,デスオキシコール酸塩培地による平板培養法,また最確数法(MPN法)が用いられる。 大腸菌群試験で,人畜の糞便による汚染の有無及びその程度を知り,衛生の危機管理を行う。大腸菌は,硝化器系の病原菌(赤痢,腸チフス菌ほか)の存在を予見するが,大腸菌群全てが有害ではない。人間の腸内に住んでいる大腸菌(E Sherichia Coli)や土壌中にいる細菌も含まれる。 処理水の排出基準は,大腸菌群数が1ml当り3,000個以下と定められている。

残留塩素(Residual Chlorine)
処理水に次亜塩素酸ナトリウム等を加えて消毒する。成分は,遊離型有効塩素(ClO-),クロラミンのような結合(遊離塩素とアンモニアの結合が結合したようなもの)。 放流水に残留塩素が多量に残留しないようにする。水性生物は,残留塩素に影響されるので,できるだけ少量の塩素剤で殺菌を行うこと。

塩素イオン(Chloride ion):Cl-
水中に溶けている塩化物中の塩素をいう。下水中の塩素イオンの大部分は塩化ナトリウム(NaCl食塩と同じ)で,生活排水及びし尿に多く含まれる。(入入下水中に約50mg/l, し尿に5,000mg/l以上) 海水は,17,000〜19,000mg/l,化学工場排水や温泉水が混入して,活性汚泥の浄化能力が一時的に落ちることがある。塩素イオン濃度を正常値に戻せば,活性に戻る。塩素イオンが多いと金属類を腐食させる。 塩素イオンは消毒に伴う残留塩素と混同されやすい。塩素化合物を消毒に使用した後の消毒力のなくなったものが塩素イオンである。

RSSS(Return Sludge Suspended Solids)
返送汚泥浮遊物質。最終沈殿池から引き抜いた活性汚泥のSS濃度を表したもの。

RSVSS(Return Sludge Volatile Suspended Solids)
返送汚泥有機性浮遊物質。RSSSの強熱減量をmg/lで表したもの。返送汚泥中の生物量とみなされ,有機物の割合として%で表すこともある。

Rr(Oxiygen Respiration Rate)
微生物の酸素利用速度。エアレーションタンク内の単位容量混合液が,単位時間に利用する酸素量をmg/l・hで表す。下水処理の進行具合,生物活性の具合を知る指標で,10mg/l・h程度である。

Kr
酸素利用速度係数。単位時間に単位重量の活性汚泥によって利用される酸素量をmg/g・hで表す。
Kr(mg/g・h)=rr×1000/(mlss又はmlvss)

ORP(Oxdation Reduction Potential)
酸化還元電位。反応液中に白金電極と水素電極を入れると,両極間に電位差が生じる。電位差は,反応液の酸化還元の状態を表す。ORP計の指示がマイナス側(0から-400mV程度)にあるとき還元状態にあり,プラス側(0からプラス800mV程度)にある時酸化状態にあることを示している。窒素除去の目的で,アンモニアの消化後に脱窒工程を入れると,嫌気状態に反応槽を保つことでその時にORPは-200〜-400mV程度を示す。

TS(Total Solids)
蒸発残留物。試料の水分を蒸発,乾燥させたときに残った物質。試料に対する重量百分率で表す。
蒸発残留物(%)=蒸発残留物重量(g)×100/試料重量(g)
汚泥の固形物濃度の測定で用いられ,SSと同じ意味合いで用いられる。汚泥の場合は,溶解性物質濃度が低いので,概ねTS=SSとなっている。

VTS(Volatile Total Solids)
強熱減量。蒸発残留物を600度で強熱したときに揮散する物質を言い,有機物質含有量の指標になる。VTSの表し方には,2通りあり,
(a)VTS(%)=強熱減量(g)×100/試料(g)
(b)VTS(%)=強熱減量(g)×100/蒸発残留物(g)
があり,(b)を使う場合が多い。汚泥中のVTSは,汚泥の性状把握や,嫌気性硝化の状態把握に用いられる。

揮発性有機酸(Volatile Organic Acids)
試料を遠心分離し,上澄み液中の酢酸などの低級な脂肪酸(炭素数が1〜6)を,それに見合う酢酸の量として,mg/lで表す。主に汚泥の嫌気性硝化の過程において,有機性物質の分解によって生じる酸で,濃縮タンクの管理指標につかわれる。揮発性有機酸が増加する場合は,消化工程がうまくいっていないことを示している。また,管渠の中に堆積した汚泥が腐敗して増加する場合もあり管渠の清掃の指標にもなる。揮発性有機酸は,糸状性細菌の餌になりバルキングが誘発される事になりかねないので,その発生を押える運転が望ましい。

沈殿時間
沈殿池に下水が滞留する時間を言う。
沈殿時間(h)=池の実容量(m3)×24(h/day)/流入量(m3/day)

水面積負荷
沈殿池の単位水面積あたりに処理する下水量を言う。
水面積負荷(m3/m2・day)=流入下水(m3/day)/池の水面積(m2)
OD法では,微生物のフロックの沈降速度が小さいため,8〜12m3/m2・dayを標準としている。

越流負荷
堰の単位長さ当りの越流する水量を表す。
越流負荷(m3/m・day)=流出水量(m2/day)/堰の総延長(m)
最終沈殿池では,150m3/m・day程度が標準である。

汚泥月齢(Sludge Age)SA
エアレーションタンクに流入したSSが反応する平均時間。
汚泥月齢(day)=エアレーションタンク容量×平均MLSS濃度/(下水量×下水中のSS濃度)
流入SSが何日で入れ替わるかを表すもの。BOD-SS負荷との関係は,
汚泥月齢(day)=下水中のBOD濃度/(BOD-SS負荷×下水中のSS濃度)

SRT(Sludge Tetention Time)
汚泥滞留時間。エアレーションタンク内の活性汚泥が余剰汚泥として引き抜かれるまでの平均滞留時間。
SRT(day)=エアレーションタンク容量×平均MLSS濃度/(余剰汚泥量×余剰汚泥中のSS濃度+下水量×処理水中のSS濃度)
SRTの長短により生物相が変化するので,管理指標として使われる。

汚泥返送率
エアレーションタンクへの流入下水に対し,どの程度の割合の活性汚泥が最終沈殿池から返送されているのかを表すもの。
汚泥返送率(%)=返送汚泥量(m3/day)×100/流入下水量(m3/day)
OD法では,100%ないし,50〜200%。

エアレーション時間
エアレーション時間(hr)=エアレーションタンク容量×24(hr)/流入下水量
OD法では,24時間前後である。

送気倍率
送気倍率(倍)=送風量(m3/day)/流入下水量(m3/day)

余剰汚泥
下水中の汚れを微生物が分解するとともに,微生物自らも増殖する。エアレーションタンクのMLSS濃度を一定に保つように運転するときに引き抜く汚泥量が余剰汚泥の量と一致する。OD法では,可溶性BODを1とすると,およそ2/3が余剰汚泥となる。(1/3が減量され,炭酸ガスや窒素ガスに変換される。)

放線菌
菌糸状に成育する生物で,エアレーションタンク内で異常発泡を起こし,最終沈殿池でスカム浮上の原因となる場合がある。ミコール酸と呼ばれるねばっこい脂肪酸を分泌し,エアレーションタンク中の気泡を抱き込んで発泡したり,スカムを発生させる。(Nocardia, Rhodococcus, etc.)

バルキング
SVIが通常値よりも著しく上昇したことを,バルキング(膨化)と呼ぶ。(SVI>300程度以上)バルキングになると,活性汚泥の沈降性・圧密性が低下し,最終沈殿池での個液分離ばうまくいかず,キャリーオーバー(活性汚泥が流出)することがある。しかし,多少のバルキングがある法が,SS分を抱き込んで水質を良くするので,きれいな上澄水が得られる。バルキングの原因となるものの一つに,糸状性バルキングがある。糸状性微生物が,特に増殖するときに起きる。(Type 021N, Sphaerotilus, etc.)

解体
活性汚泥は,フロックという塊を作り,水の浄化作用を行っているが,活性汚泥の凝集性が低下し,フロックが小さくなったりすることがある。フロックの解体が起こるとSVが上昇し,透視度が低下する。解体の原因としては,過曝気,毒物の混入,急激な負荷変動などがあげられる。オキシデーションディッチ法では,横軸ローターなどが使われていたが,解体が起きやすいのと,沈殿しやすいのと,池の面積(又は長さ)が大きくなるので,使われなくなっている。

脱窒
下水中の硝酸塩が脱窒菌等の作用により還元され,窒素ガスとなって大気中に放出されること。脱窒には,比較的高いMLSS濃度と水温と低いDOを保つことが必要になり,エアレーターの運転管理を十分に行うことが必要である。窒素の除去の重要なプロセスである。

塩素必要量
処理水を消毒する目的で加えている塩素化合物が,注入後15分に残留塩素として0.1mg/l認められるために必要な塩素化合物量。塩素化合物は本来の目的の消毒作用に消費されるほか,COD成分の酸化にも消費される。
消毒とは,病原性微生物の感染力をなくすこと。
滅菌とは,微生物の活性を奪うか,除去し,生きているものをなくす。
殺菌とは,微生物緒活性をなくすこと。
と言われているので,下水処理では消毒をする。消化器系感染症の予防のために消毒を施すので,大腸菌を全滅させるのではなく,少なくすることが,法律で求められている。
しかし,同じ下水処理でも,浄化槽法(厚生省管轄下)では,処理水の水質は,残留塩素が認められることを求めているので,大腸菌群数のカウントではない。残留塩素があれば,大腸菌群数は,30個未満のクリアができるので同じことではあるが,考え方が違う。

薬品添加率
汚泥の脱水を行うときの凝集剤の添加率。汚泥は,コロイド状の微粒子構造をとることが多く,水との親和力が強く,機械的な脱水がしずらい。脱水機に汚泥を投入する前に事前に薬品を加えて,汚泥粒子の性質を物理化学的に変化させ,水との親和力を減少・凝集力の増大・粒子の粗大化・濾過抵抗の減少を図り,脱水の効率を上げる。
薬品添加率(重量百分率,%)=薬品添加量(kg/day)×10/(供給汚泥量(m3/day)×供給汚泥TS(%)
添加率は,薬品の純度を換算したものとそうでないものとがある。添加剤には,塩化第二鉄/硫酸第一鉄/消石灰(真空・加圧濾過機),有機高分子凝集剤(ベルトプレス,遠心脱水機)などがある。また,無機の凝集剤と高分子凝集剤の2液を使う場合がある。(多重円盤外胴型スクリュープレス)
無機系は10%近く添加する場合が多く,有機(高分子)系は1%程度添加する場合が多い。




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