システム概要 最終沈殿池より引き抜かれた余剰汚泥は,オゾン汚泥処理設備でオゾンと接触させた後,反応槽(オキシデーションディッチ)へ循環返送され,汚泥の脱水等で反応系外に出すことなく消滅化させることができる。 余剰汚泥はオゾンの強力な酸化作用により微生物が食べやすい形,いわゆる生物分解可能な有機物に変化され,反応槽へ戻される。オゾン処理された余剰汚泥は,反応槽で微生物により炭酸ガス・水に分解され消滅化,減容される。1度オゾン処理された汚泥の生物分解率は,約30/100である。よって,余剰汚泥をすべて消滅化させるためには,100/30倍(約3.4倍)のオゾン処理を施せばよいことになる。すなわち,発生余剰汚泥の3.4倍量を引き抜いてオゾン処理し,反応槽へ循環返送することにより,余剰汚泥の完全消滅が可能となる。 平成8年10月より,余剰汚泥の発生ゼロで運転を続行中(平成10年5月現在) 特徴・留意事項 汚泥の場外搬出・最終処分等が不要である。(余剰汚泥が発生しないから) 汚泥脱水処理が不要。(同上) 汚泥貯留槽が不要。(同上) 汚泥処理の脱臭機が不要。(同上) 汚泥処分費が不要になるが,オゾン発生装置等の電力費がかかる。しかし,処分費より廉価である。 処理水のBOD,SSは同等であるが,CODは従来法より約6mg/l高くなる。 汚泥引抜き搬出を行わないため,リンの捕捉ができない。 反応槽に,オゾン処理汚泥の分解に要する酸素の供給量を増量する。エアレータの電力費が増加する。 排オゾン対策をとらなければならない。触媒(マンガン),活性炭で処理後,大気中に放出。 ※共同研究(日本下水道事業団,中之条町,栗田工業株式会社) 実験は終了(2000年3月)しましたが,継続して処理が行われており,余剰汚泥処分の低減に貢献しています。(施設撤去済み) また,現在は,ジャー型オゾン反応棟(3連式,小型タンク)および硫酸処理によりオゾン使用量を低減したシステムに発展して運転されています。硫酸処理により,CODが低減されています。可溶化された汚泥は,苛性ソーダにより中和されて,OD槽へ返送されています。(酸オゾン法)(施設撤去済み) ※実験終了に伴い、施設を撤去しました。 (注意)中之条に行ってんべえは,個人で運営されています。公的なものではありません。 produced by Kogure Hiroshi |